2011/8/1

欧州ビジネスウオッチ

アイルランド最大手銀、国有化を回避

この記事の要約

アイルランド財務省は7月25日、政府が36%を出資する最大手銀行バンク・オブ・アイルランド(BOI)の株式11億2,000万ユーロ相当を民間投資家のグループが取得することが決まったと発表した。これによりBOIは国有化を免 […]

アイルランド財務省は7月25日、政府が36%を出資する最大手銀行バンク・オブ・アイルランド(BOI)の株式11億2,000万ユーロ相当を民間投資家のグループが取得することが決まったと発表した。これによりBOIは国有化を免れることになった。

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財務省によると、投資家グループはまずBOI株式2億4,100万ユーロ相当を取得。さらに最大で8億8,200万ユーロ相当を追加取得する。これにより同グループの持ち株比率は最大37.3%に達する。

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アイルランド政府は金融危機で大きな打撃を受けたBOIに公的資本を注入し、現在は持ち株比率が36%に達している。同行はアイルランド中央銀行が3月に実施した国内銀行のストレステスト(健全性審査)で、資本が52億ユーロ不足していると判断されたため、政府の追加注入により国有化される可能性があった。今回の民間による資本注入で政府の持ち株比率は32%まで低下する見込みだ。

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民間投資家グループの具体名は未公表。英フィナンシャル・タイムズによると、米著名投資家のウィルバー・ロス氏や複数の米ファンド・マネジャーが含まれているという。

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