2011/8/22

総合 –EUウオッチャー

ECBが国債買い取り再開、過去最高の週220億ユーロに

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は15日、前週(8~12日)に流通市場から総額220億ユーロのユーロ圏の国債を買い入れたと発表した。1週間の買い取り額としては過去最高額。買い入れの詳細は未公表だが、大部分がイタリア、スペインの国債 […]

欧州中央銀行(ECB)は15日、前週(8~12日)に流通市場から総額220億ユーロのユーロ圏の国債を買い入れたと発表した。1週間の買い取り額としては過去最高額。買い入れの詳細は未公表だが、大部分がイタリア、スペインの国債とみられる。

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ECBは昨年5月、ギリシャの財政危機で動揺した金融市場を支えるため、財政悪化国の国債を流通市場で買い取るという異例の措置を開始した。今年3月から停止していたが、信用不安がイタリア、スペインにも波及し、両国の国債の利回りがユーロ導入後の最高水準に達したことから、4日に買い入れを再開していた。

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これまでの1週間の買い入れ額は、実施1週目の165億ユーロが最高だった。これを大きく上回る今回の買い入れは、ユーロ圏の主要国であるイタリア、スペインの信用不安が深刻化することへのECBの強い危機感を反映した格好だ。

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昨年5月以降のECBによる国債買い取りの総額は、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドの国債を中心に960億ユーロに達した。

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ユーロ圏17カ国は7月の緊急首脳会議で、ギリシャを震源地とした信用不安の拡大を防ぐため、財政危機に直面するユーロ参加国に緊急金融支援を行う総額4,400億ユーロの「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能を強化することで合意。EFSFが危機に陥った国の国債を流通市場で買い取ることができるようにすることを決めた。ECBは同措置の実施が見込まれる9月までイタリア、スペインの国債を買い支える見通しだが、今回と同規模の買い入れを続けるのは困難との見方が出ている。

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