2011/11/14

総合 –EUウオッチャー

ECBのビニスマギ専務理事が辞任、仏がポスト奪還へ

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は10日、イタリア出身のビニスマギ専務理事が年内に辞任すると発表した。今月1日付で同じくイタリア出身のドラギ氏がECB総裁に就任した結果、正副総裁を含む6人の理事のうちイタリア出身者が2つのポストを […]

欧州中央銀行(ECB)は10日、イタリア出身のビニスマギ専務理事が年内に辞任すると発表した。今月1日付で同じくイタリア出身のドラギ氏がECB総裁に就任した結果、正副総裁を含む6人の理事のうちイタリア出身者が2つのポストを占めることとなり、トリシェ前総裁の退任でポストを失ったフランスがビニスマギ氏の辞任を強く求めていた。同氏は2013年5月までの任期を残し、来年1月から米ハーバード大学国際問題研究所に移る。

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ECBのトップ人事をめぐっては、サルコジ仏大統領がイタリア中央銀行の総裁だったドラギ氏のECB総裁就任を支持する見返りとして、ビニスマギ氏を辞任させ、後任の理事ポストをフランスに譲るようベルルスコーニ伊首相に要求。一方、ビニスマギ氏はECB専務理事辞任の条件としてイタリア中銀総裁のポストを要求していたが、ベルルスコーニ首相がこれを拒み、ビスコ副総裁の昇格を決めたため、これに抗議して現職にとどまっていた。

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ビニスマギ氏の辞任によってフランスが理事のポストを取り戻すことが確定したわけではないが、債務危機対応が最優先の現状で他のユーロ圏諸国が対立候補を立てる可能性は極めて低い。同氏の後任候補としては、フランス中央銀行のランドー副総裁や国際通貨基金(IMF)のファイヨル理事らの名前が挙がっている。

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