2012/1/16

競争法

独取引所とNYSEの合併、EUが拒否決定か

この記事の要約

欧州委員会がドイツ取引所とNYSEユーロネクストの合併を認可しない方針を固めたもようだ。消息筋が10日、英フィナンシャル・タイムズなどに明らかにした。\ フランクフルト証券取引所を傘下に持つドイツ取引所とニューヨーク証券 […]

欧州委員会がドイツ取引所とNYSEユーロネクストの合併を認可しない方針を固めたもようだ。消息筋が10日、英フィナンシャル・タイムズなどに明らかにした。

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フランクフルト証券取引所を傘下に持つドイツ取引所とニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストは、昨年2月に合併で合意した。出資比率がドイツ取引所60%、NYSE40%となる新会社は、売買代金や時価総額で世界最大の取引所となる。

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合併計画をめぐっては、米当局は昨年末に認可したが、欧州委は新会社が欧州のデリバティブ取引で圧倒的なシェアを握ることを問題視して認可を先送りし、詳細な調査を行っている。

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両社は合併承認に向けて、12月に一部のデリバティブ事業売却などを打ち出したが、消息筋によると欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は同措置では不十分と判断し、認可しないことを決定。フィナンシャル・タイムズは、同委員が両社に決定を通知したと報じている。

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欧州委は2月9日までに合併審査の結果を正式発表する。米NYSEユーロネクストのダンカン・ニーダーアウアー最高経営責任者(CEO)は11日、従業員に対するビデオメッセージで、「EUから正式な決定は届いていない」としながらも、「報道を見る限り、合併を認めないという結論に達したのは明らかなようだ」とコメント。欧州委の判断を「日々変化する市場の現実を無視している」と批判し、方針転換を働きかけていく意向を示した。

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