2012/4/30

総合 –EUウオッチャー

オランダで政権崩壊、9月に総選挙へ

この記事の要約

オランダのルッテ内閣が総辞職に追い込まれた。政府予算案をめぐる連立政権内での協議が決裂したため。これを受けてベアトリックス女王は25日、ルッテ首相に対して議会を解散し、9月12日に総選挙を実施するよう要請した。\ ルッテ […]

オランダのルッテ内閣が総辞職に追い込まれた。政府予算案をめぐる連立政権内での協議が決裂したため。これを受けてベアトリックス女王は25日、ルッテ首相に対して議会を解散し、9月12日に総選挙を実施するよう要請した。

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ルッテ首相率いる自由民主党とキリスト教民主勢力(CDA)による少数連立政権は、極右の自由党の閣外協力を得て政権を運営してきた。しかし財政健全化に向け140億から160億ユーロの歳出削減を盛り込んだ政府予算案に自由党が反対し協議から離脱。この結果、連立政権は議会での過半数の支持を失い、総辞職に追い込まれた。ルッテ首相は総選挙までの間は首相の座にとどまるが、予算案を通過させるため他の野党勢力の支持を取り付けられるかが今後の焦点となる。

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23日の欧州債市場ではルッテ内閣の総辞職で財政健全化が後退するとの懸念からオランダ国債の利回りが上昇。ドイツ連邦債との利回り格差は2009年4月以降で最大となった。オランダはドイツと並ぶユーロ圏の強硬派として知られる。ドイツのメルケル首相とともに財政規律の厳格化を強く訴えてきたルッテ首相が退陣を余儀なくされたことで、欧州の信用不安をめぐる対策の実行に影響が出る可能性もある。

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