2012/7/16

総合 –EUウオッチャー

ムーディーズが伊を格下げ、あと2段階で投資不適格級に

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、イタリアの長期信用格付けを「A3」から2段階引き下げ、「Baa2」に設定したと発表した。経済の不振や、ギリシャとスペインという不安材料を抱えるユーロ圏の債務危 […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、イタリアの長期信用格付けを「A3」から2段階引き下げ、「Baa2」に設定したと発表した。経済の不振や、ギリシャとスペインという不安材料を抱えるユーロ圏の債務危機が拡大し、その影響がイタリアに及ぶことを懸念したもので、格付け見通しも「ネガティブ(弱含み)」とし、さらなる格下げを示唆した。

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同格付けはカザフスタン、ブルガリア、ブラジルなどと並ぶ水準で、あと2段階の格下げで投資不適格級となる。

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ムーディーズは格下げについて、◇景気見通しの悪化によって財政再建の難航が必至◇ユーロ圏の信用不安でギリシャのユーロ離脱の可能性がくすぶっている◇スペインの銀行の損失が膨らむ恐れがある――ことなどを背景に、イタリア国債に対する金融市場の信認が揺らぎ、利回りが一段と上昇するのは避けられないと説明。EUは先月末の首脳会議で、イタリアなど財政危機に直面する国への支援強化に向けて、「欧州安定メカニズム(ESM)」と「欧州金融安定基金(EFSF)」の弾力的な活用で合意したが、ユーロ圏第3位の経済国であるイタリアを支えるには「限界がある」と指摘した。

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首脳会議での合意を受けて、欧州の金融市場の動揺は小康状態にあるが、イタリアの格下げによって不安が再燃し、債券市場で利回りが急上昇する恐れが出てきた。

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