2012/7/16

総合 –EUウオッチャー

ECBの翌日物預金が急減、融資拡大効果は空振り

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)が翌日物預金口座の金利(オーバーナイト金利)を0%に引き下げたことを受け、ユーロ圏の民間金融機関が同口座に預ける資金が急減している。ただ、流出した資金の大部分がECBの当座預金口座に滞留しており、期 […]

欧州中央銀行(ECB)が翌日物預金口座の金利(オーバーナイト金利)を0%に引き下げたことを受け、ユーロ圏の民間金融機関が同口座に預ける資金が急減している。ただ、流出した資金の大部分がECBの当座預金口座に滞留しており、期待した融資拡大効果は空振りとなっている。

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ECBは5日、民間銀行が資金を安全で金利が比較的高いECBの翌日物預金口座に預けることで、市中に資金が回らなくなっている事態を解消するため、オーバーナイト金利を0.25%から0%に引き下げることを決定。11日に実施した。

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ECBが12日明らかにしたところによると、これを受けて11日の翌日物預金口座の預金残高は3,249億ユーロと、前日の8,085億ユーロから急減した。しかし、当座預金口座の預金残高が739億ユーロから5,398億ユーロに跳ね上がり、翌日物から当座預金に資金が移動しただけであることが判明した。

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