2012/7/23

産業・貿易

中国化学大手への反ダンピング措置は不当、欧州裁が一審支持

この記事の要約

欧州司法裁判所は19日、中国の農業化学大手、浙江新安化工集団に対して欧州委員会が発動した反ダンピング措置を無効とする判決を下した。一審判決を踏襲したもので、これにより欧州委の敗訴が確定した。\ 欧州委は1998年、浙江新 […]

欧州司法裁判所は19日、中国の農業化学大手、浙江新安化工集団に対して欧州委員会が発動した反ダンピング措置を無効とする判決を下した。一審判決を踏襲したもので、これにより欧州委の敗訴が確定した。

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欧州委は1998年、浙江新安化工が除草剤をEU市場にダンピング輸出しているとして、制裁関税を課した。

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EUではダンピング判定の際、当該企業で市場経済が機能していないと認定した場合は、経済発展レベルが近い別の市場経済国の物価水準を基準にコストを算出する。一般的にコストが高い国を代替国として選ぶことから、ダンピングと認定されるケースが多い。

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欧州委は浙江新安化工のケースで、中国政府が少数株主に加わっていることから、同社の経営に政府が介入しているとして「市場経済」認定を拒み、結果的に反ダンピング措置を発動した。

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これに対して同社は、「市場経済」と認定せずにダンピングと判定したのは不当として、欧州裁に提訴。一般裁判所は2009年、中国政府が同社に出資していても影響力を行使しているとは断定できず、「市場経済」と認定しなかったのは不当として、反ダンピング措置を無効とする判決を下した。これを不服として欧州委は上訴したが、欧州裁は一審判決を支持した。

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