2013/2/25

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀、重債務国の国債保有残高2千億ユーロ

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は21日、ユーロ圏の重債務国の国債を買い入れる「証券市場プログラム(SMP)」に基づいて取得した国債の保有残高が昨年末時点で総額2,087億ユーロに上り、これに伴う昨年の金利収入が11億800万ユー […]

欧州中央銀行(ECB)は21日、ユーロ圏の重債務国の国債を買い入れる「証券市場プログラム(SMP)」に基づいて取得した国債の保有残高が昨年末時点で総額2,087億ユーロに上り、これに伴う昨年の金利収入が11億800万ユーロに達したことを明らかにした。

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財政悪化国の国債を流通市場で買い取るSMPは、ギリシャの財政危機で動揺した金融市場を支えるため、2010年5月に開始されたもの。昨年末の保有残高の内訳はイタリア国債が990億ユーロ、スペイン国債が437億ユーロ、ギリシャ国債が308億ユーロ、ポルトガル国債が216億ユーロ、アイルランド国債が136億ユーロとなっている。ECBが国別の国債保有状況を公表したのは初めて。

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SMPは昨年9月、ECBが「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」と呼ばれる新たな国債購入プログラムを開始したのに伴って廃止された。OMTでは流通市場で重債務国の国債を無制限で買い入れる代わりに、対象国はギリシャなどがユーロ圏に金融支援を要請した際と同様に厳しい財政赤字削減を求められる。

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