2013/8/5

産業・貿易

対米FTA、仏政府が欧州委に交渉指針の開示要求

この記事の要約

7月にスタートしたEU・米間の自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、フランス政府は欧州委員会に対して交渉指針(マンデート)などの開示を求めている。EUは経済・貿易分野の協定締結に際して相手国との交渉を有利に進めるため、 […]

7月にスタートしたEU・米間の自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、フランス政府は欧州委員会に対して交渉指針(マンデート)などの開示を求めている。EUは経済・貿易分野の協定締結に際して相手国との交渉を有利に進めるため、通常はマンデートや交渉記録の公表を差し控えているが、フランスは対米FTA交渉では相互に「不信感が漂っている」などと指摘。米国と対等な立場で交渉を進めるためにも、加盟国、欧州議会、産業界などが最新の情報にアクセスできる環境を整える必要があると主張している。

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ブリック仏貿易相は7月29日付の仏紙リベラシオンへの寄稿で、「(7月初旬に行われた)第1回交渉は不信感のなかで終わった。米国との対話がパートナーシップのためのもので、両者が対等な立場に立っているのであれば、相互に共通認識を持つことができるようEUは慣習を変える必要がある」と指摘。欧州委のデフフト委員(通商担当)宛てに書簡を送り、通常の手続きを変更してマンデートを開示すると共に、交渉の進捗状況について欧州議会に定期的に報告するよう求めたことを明らかにした。

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欧州委のクランシー報道官は今回の動きを受け、欧州委は加盟国の委任を受けて米国との交渉にあたっているため、閣僚理事会が承認すればマンデートの開示に応じるとコメント。EU市民、加盟国、欧州議会に対して交渉に関する最新の情報を提供する用意があると述べている。

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