2013/8/5

総合 –EUウオッチャー

キプロス銀の大口預金者、ヘアカット率は47.5%に

この記事の要約

キプロス中央銀行は7月30日、経営危機に陥っているキプロス銀行の預金者に損失を負担させる「ベイル・イン」制度の詳細を発表した。10万ユーロを超える大口預金者の預金額を47.5%削減する。これによって同行の財務状況は大幅に […]

キプロス中央銀行は7月30日、経営危機に陥っているキプロス銀行の預金者に損失を負担させる「ベイル・イン」制度の詳細を発表した。10万ユーロを超える大口預金者の預金額を47.5%削減する。これによって同行の財務状況は大幅に改善され、5%を割り込んでいた中核的自己資本比率は12.5%まで上昇すると見込んでいる。

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金融・債務危機に直面するキプロス政府は3月、EUと国際通貨基金(IMF)から総額100億ユーロの緊急金融支援を受ける代わりに、最大手銀行のキプロス銀行、2位銀行キプロス・ポピュラー(ライキ)銀行を整理することに同意。ライキ銀を清算して、優良資産をキプロス銀に引き継がせる一方で、キプロス銀の資本増強のため大口預金者に負担を強いることを決めた。ヘアカットを逃れた預金も凍結された。

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キプロス銀の大口預金者の預金削減率(ヘアカット率)は当初、最大60%に達するとの観測が浮上していたが、最終的には予想を下回る規模に収まった。

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凍結を命じられた52.5%の預金は、すでに10%が引き出し可能となっており、数日内に5%も凍結が解除される予定。残る37.5%については6カ月後、9カ月後、1年後の3段階に分けて凍結を解除する。

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大口預金者はヘアカット分の補償として、キプロス銀の株式を受け取る。また、凍結されている預金に関しては、通常より高い利払いが保証される。

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