欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/7

EU情報

欧州委がバルト海の漁獲規制案を提示、16年は総漁獲可能量を15%削減

この記事の要約

欧州委員会は2日、バルト海における2016年の漁獲規制案を発表した。漁業に関する科学技術経済委員会(STECF)および国際海洋調査評議会(ICES)の勧告に基づき、対象魚種の総漁獲可能量(TAC)を15年と比べて15%削 […]

欧州委員会は2日、バルト海における2016年の漁獲規制案を発表した。漁業に関する科学技術経済委員会(STECF)および国際海洋調査評議会(ICES)の勧告に基づき、対象魚種の総漁獲可能量(TAC)を15年と比べて15%削減するという内容。欧州委の提案を土台に10月下旬のEU漁業相理事会でTACを決定し、その後、漁獲実績などに基づく割当基準に沿って国別の漁獲割当量を設定する。

漁獲規制の対象となっているのはバルト海で捕獲されるタラ、ニシン、ヒラメ、サケ類の計10魚種。EUは周辺海域で捕獲されるすべての魚種について、遅くとも20年までに資源を減らすことなく持続的に達成できる最大の漁獲量(最大持続可能生産量=MSY)を確保するとの目標を掲げている。欧州委によると、10魚種のうちタラとサケの一部を除く7魚種については科学的データからMSYを達成していることが確認されたため、同水準に基づいてTACが設定された。

対象魚種のうち、ヒラメとサケ類はTACをそれぞれ18%、6%引き上げる一方、主力のニシン類は4魚種の合計で12%、スプラット(ニシン科の小魚)は14%、バルト海東部のタラも20%削減することを提案している。バルト海西部のタラに関しては、ICESから追加的なデータを入手したうえでTACを算定すると説明している。