欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)は8日、スロベニアのショーシュタニ火力発電所の近代化事業に対する総額7億5,000万ユーロの支援を決定したことを明らかにした。
\近代化事業では老朽化した既存の発電機5基を最新型の1基と交換する。新発電設備の出力は 600メガワットで、二酸化炭素(CO2)の排出を増やすことなく発電量が30%増加するほか、CO2回収・貯留(CCS)技術を活用できるように設計されている。総事業費13億ユーロのうち、EIBが5億5,000万ユーロ、EBRDが2億ユーロをそれぞれ融資する。
\ショーシュタニ火力発電所は企業や一般世帯に電力と熱エネルギー、地域暖房エネルギーを供給している。発電量は国内全体の3分の1を占め、スロベニアの電力供給に大きな役割を果たしている。同発電所の近代化工事は仏アルストムが受注しているが、受注の過程で不正が行われたとの疑惑が浮上しており、欧州不正対策局などが調査を進めている。また、環境負荷の高い亜炭を燃料とする同発電所の近代化プロジェクトをEIBとEBRDが支援することは、低炭素経済への移行を目指す欧州連合(EU)の方針に逆行するものだとして、グリーンピースなどの環境団体から批判の声があがっている。
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