2015/10/14

ロシア

来年度予算案を閣議決定、財政赤字は3%に

この記事の要約

ロシア政府は8日、来年度予算案を閣議決定した。対国内総生産(GDP)比の財政収支は今年と同じマイナス3%となる予測だ。ただ、この数値を達成するには財政準備金をさらに取り崩すことが避けられない。また、軍事予算の積み増しなど […]

ロシア政府は8日、来年度予算案を閣議決定した。対国内総生産(GDP)比の財政収支は今年と同じマイナス3%となる予測だ。ただ、この数値を達成するには財政準備金をさらに取り崩すことが避けられない。また、軍事予算の積み増しなどで、赤字幅は財務省の4月予測に比べて2倍に、7日の予測と比べても0.2ポイント広がった。予算案は近く議会で可決される見通し。

シルアノフ財務相によると、閣議で軍事支出項目の一部(1,650億ルーブル=27億米ドル相当)を歳出削減の対象から除外することを決定したのが赤字予測の修正につながった。軍事予算削減に反対していたプーチン大統領の意向に沿った形だ。

しかし、クドリン前財務相などは、ロシアには予算の3分の1を防衛・保安予算につぎ込む余裕はないと強く批判している。その関連で、今回の予算見直しにより財政準備金から赤字補てんに振り向けられる資金の金額が、従来の1兆7,610億ルーブルから2兆1,360億ルーブルへと飛躍的に拡大したと警告。現在の準備金総額(4兆6,750億ルーブル)の約半分に相当する事実を指摘した。

準備金が縮小するに伴い、「原油安が継続すればロシア財政が危機に陥る」という懸念が浮上している。世界銀行は先週発表したリポートで、ロシア政府に来年から財政支出を大幅に削減するよう強く勧告した。準備金は度重なる赤字補てんの財源には適さないと説明している。

なお、ロシア政府は10日、今年度の財政赤字見通しを、従来の3.7%から3%(2兆1,990億ルーブル=355億8,000万ドル)へ上方修正した。修正値はすでに2015~17年の3カ年予算に織り込み済みだ。連邦出納局(Roskazna)によると、1-9月期の赤字は7,867億ルーブル(128億ドル)と、1-8月期の9,070億ルーブル(148億ドル)から改善した。(1RUB=1.95JPY)

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