2015/11/18

コーヒーブレイク

飲料侮辱罪~トルコ

この記事の要約

今月初めの議会選挙勝利で勢いづいたのか、トルコのエルドアン大統領の独裁的側面が強まっているらしい。コマーシャルで発酵飲料「アイラン」を「侮辱」したかどで、国有飲料メーカー、チャイクルが22万トルコリラ(約7万ユーロ)の罰 […]

今月初めの議会選挙勝利で勢いづいたのか、トルコのエルドアン大統領の独裁的側面が強まっているらしい。コマーシャルで発酵飲料「アイラン」を「侮辱」したかどで、国有飲料メーカー、チャイクルが22万トルコリラ(約7万ユーロ)の罰金支払いを命じられたのだ。

問題となったのは、アイスティー「ディディ」のCM。、人気ラップ歌手ジャザさんが登場し、「アイラン飲んでみたら、眠くなっちまった」と歌っている。関税通商省は処罰の理由として、「アイランを理由もなく侮辱し、誤った情報を流すことで消費減を狙った」もので、「アイランを扱う企業に対する不正競争に当たる」と説明している。

アイランはヨーグルトに水と塩を加えた飲み物で、トルコだけでなくバルカン半島から中東、中央アジアまでの広い地域で愛飲されている。夏などに冷やして飲むと大変美味だ。日本でいえば、さしずめ緑茶のようにポピュラーな飲み物で、誰かが少しケチをつけたぐらいでその地位は揺るぎそうもない。

しかし、エルドアン大統領は首相時代の2013年にアイランを「国民的飲料」と宣言した。イスラム保守派の大統領にとって、アニス風味の蒸留酒「ラキ」を飲むトルコ人は目の上のコブ。このため、「ラキの代わりにアイランを飲もう」と推奨した過去がある。

今回の処罰もエルドアン大統領の考えに逆らったことが理由と話題になっているが、白い自動車以外を禁じたどこかの大統領のようにならないことを祈っている。(東欧経済ニュース2月18日号「ラッキーカラーは白~トルクメニスタン」を参照)

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