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2015/2/18

企業情報

エルリングクリンガー―米競合を買収―

この記事の要約

自動車部品大手の独エルリングクリンガー(デッティンゲン・アン・デア・エムス)は13日、米競合M&Wマニュファクチュアリングの全資本を12日付で取得したと発表した。M&Wを1日にさかのぼって子会社化し、 […]

自動車部品大手の独エルリングクリンガー(デッティンゲン・アン・デア・エムス)は13日、米競合M&Wマニュファクチュアリングの全資本を12日付で取得したと発表した。M&Wを1日にさかのぼって子会社化し、自動変速機向けスペーサー板事業を強化する。買収金額は債務の引き受けも含めて約2,700万ユーロ。

M&Wはミシガン州ウォーレンに本社を置く企業で、米自動変速機向けスペーサー板市場の最大手メーカー。従業員数は約100人で、ウォーレンおよび隣接するローズビルに工場を持つ。今年は売上高で3,300万~3,400万ユーロ、売上高営業利益率(EBITベース、調整前)で1ケタ台の後半を見込む。

エルリングクリンガーは同社の買収により、自動変速機向けスペンサー板の世界市場でシェアを45~50%に拡大し、最大手メーカーとなる。オートマチック車の需要が世界的に急増していることから、今回の買収に踏み切った。

自動車業界では完成車メーカーがサプライヤーに対しグローバルな部品供給能力を要求している。このため、サプライヤーはこれに対応して世界各地に工場を持つことが生き残りの条件となっている。M&Wのオーナー一族はそうした投資を行うことができないと判断し、自社売却に踏み切った。

エルリングクリンガーはM&Wの売上高を今後5年で倍増させる考え。また、2つある工場を統合するほか、生産の自動化を推し進め、同子会社の売上高営業利益率を17年までに15~16%へと引き上げる計画だ。シナジー効果は年300万~500万ユーロを見込む。