独高級車メーカーのBMWと米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)は燃料電池車に関する技術提携の協議を打ち切ったもようだ。28日付けの独経済紙『ハンデルスブラット』によると、BMWの広報担当者が同紙の取材情報を追認した。GMとは今後も協議していく方針だが、当該テーマに関する協議は打ち切ったとしている。
\これまでのメディア報道によると、BMWはGMの燃料電池車に関する技術を取得する一方、研究開発コストの一部を負担する方向で協議していた。
\BMWは量産車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)を親会社に持つ競合の独アウディなどと比べると生産規模が小さい。このため、他社との提携やエンジンの外販により、開発や生産のコスト負担を軽減している。
\ \■ ハイブリッド技術に関するPSAとの提携解消へ
\ \BMWは、欧州2位の販売規模を誇るPSAプジョー・シトロエンとエンジンの共通化で協力してきたほか、ハイブリッドシステムの構成部品などを開発・生産する合弁会社「BMWプジョー・シトロエン・エレクトリフィケーション(BPCエレクトリフィケーション)」を設立し、2011年10月から事業を開始しているが、メディア報道によると、PSAはBPCエレクトリフィケーションから資本撤退する可能性があるという。背景には、PSAとGMが今年2月末に資本関係も含む包括的な提携契約を締結したことがある。このような状況を受けて、BMWが今後、同合弁会社を単独で運営していくかどうかなどに注目が集まっている。
\ \■ トヨタ自動車との提携強化
\ \BMWとトヨタ自動車は6月29日の12時30分(日本時間19時30分)から、BMW本社のあるミュンヘンで共同記者会見を開く。25日付けの『日本経済新聞』などの報道によると、両社はハイブリッド車や燃料電池車、軽量化技術で協力する方針という。
\両社は2011年12月、次世代環境車・環境技術における中長期的な協力関係の構築で覚書を交わした。トヨタの欧州統括会社であるトヨタモーターヨーロッパ(TME)が2014年から欧州市場で販売する予定のトヨタブランドの車両向けにBMWが1.6および2.0リットルのディーゼルエンジンを供給することで合意、契約したほか、2012年3月には、次世代リチウムイオン電池の開発で協力する契約を締結している。
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