欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2014/3/28

総合 – 自動車産業ニュース

日欧5社に9.5億ユーロの制裁、自動車用ベアリングのカルテルで

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は3月19日、ベアリング(軸受け)を製造する日欧の6社が自動車用ベアリングで価格カルテルを結んでいたとして、うち5社に総額9億5,330万6,000ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。制裁 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は3月19日、ベアリング(軸受け)を製造する日欧の6社が自動車用ベアリングで価格カルテルを結んでいたとして、うち5社に総額9億5,330万6,000ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。制裁対象となったのは日本のNTN、日本精工、不二越と独シェフラー、スウェーデンのSKF。日本のジェイテクトもカルテルに関与したが、制裁を免除された。

欧州委は2011年11月、自動車用ベアリングの販売をめぐり、複数のメーカーがカルテルを行っている疑いがあるとして、関係各社に立ち入り調査を実施した。その結果、ジェイテクトを含む6社が04年4月から11年7月にかけて、原材料となる鉄鋼の価格上昇を顧客に転嫁するため価格カルテルを結び、欧州経済領域(EEA)内の自動車メーカーと自動車部品メーカーによるベアリング納入業者の選定で談合し、価格を吊り上げていたと認定。制裁に踏み切った。

各社の制裁額は、シェフラーが3億7,048万1,000ユーロ、SKFが3億1,510万9,000ユーロ、NTNが2億135万4,000ユーロ、日本精工が6,240万6,000ユーロ、不二越が395万6,000ユーロ。ジェイテクトはカルテルを通報し、調査に協力したことから、制裁を全額免除された。

5社の制裁額は、調査段階でカルテル関与を認め、調査に協力すれば制裁額を減額する和解手続きが適用され、10%減額された。さらに、NTNを除く4社は調査への協力のタイミング、提供した情報の内容によって、20~40%の減額が認められた。

日本企業で最高の制裁を命じられたNTNは声明で、「法令、社会規範、倫理、社内規定などの遵守をグローバルに徹底するための体制を強化し、公正・誠実な競争による事業活動を推進していく」とコメントしている。

欧州委は日米の独禁当局と連携し、2010年から自動車部品のカルテル疑惑に関する調査を進めており、昨年7月に矢崎総業、古河電気工業など4社にワイヤハーネスのカルテルで総額1億4,179万ユーロの制裁を科した。このほか、シートベルトやエアバッグなど安全システム、ステアリング・ホイール、エアコン、エンジン冷却装置をめぐるカルテル疑惑で数十社を調査している。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |