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2015/7/17

一般・技術・その他 (旧)

アルセロールミタル、商業規模のバイオエタノールプラントを共同建設

この記事の要約

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル (ルクセンブルク)は13日、製鉄工程で発生する排ガスからバイオエタノールを生成するプラントを建設する計画について、米ランザテックおよび英プライメタルズ・テクノロジーズと趣意書を締結した […]

鉄鋼世界最大手のアルセロールミタル (ルクセンブルク)は13日、製鉄工程で発生する排ガスからバイオエタノールを生成するプラントを建設する計画について、米ランザテックおよび英プライメタルズ・テクノロジーズと趣意書を締結したと発表した。生産能力は年4万7,000トンで、欧州初の商業規模のプラントになるという。ベルギーのヘントにあるアルセロールミタルの製鉄所内に建設する計画で、建設投資は8,700万ユーロ。年内に着工し2017年半ばにバイオエタノールの生産を開始できる見通し。

当該プラントでは、製鉄工程で発生する一酸化炭素(CO)などからバイオエタノールを生成する。排ガスとして発生したCOは燃焼するか、製鉄所でエネルギーとして使用されるが、いずれのケースも燃焼により二酸化炭素(CO2)が発生するという。バイオエタノール1トンはガソリン5.2バレルに相当し、アルセロールミタルは二酸化炭素(CO2)排出量を2.3トン削減することができるという。

米ランザテックは、微生物によるガス発酵技術を開発するベンチャー企業で、2005年にニュージーランドで設立された。現在は米イリノイ州に本社を置く。ランザテックの増資に応じて三井物産は2014年に同社に資本参加している。

プライメタルズ・テクノロジーズは三菱重工業と独電機大手のシーメンスが設立した製鉄機械事業の合弁会社(本社:ロンドン)で、三菱重工業は連結子会社の三菱日立製鉄機械を通して合弁会社に51%、シーメンスは49%を出資している。

■ 2段階に分けて建設

建設プロジェクトは2段階に分かれており、第1フェーズは年1万6,000トンの生産能力を持つプラントを2017年半ばまでに建設する計画。第2フェーズでは、生産能力を年4万7,000トンに拡大する計画で2018年に完成する予定。

アルセロールミタルは、当該プロジェクトで好結果を得られれば、他の製鉄所にも当該プラントの建設を広げていく方針。欧州全域の拠点にバイオエタノールの生成プラントを建設した場合、年約50万トンのバイオエタノールを生産できると見込んでいる。

欧州連合(EU)は研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」の枠組みから同プロジェクトに1,020万ユーロを支援する。当該プロジェクトでは今後さらにエクイティー投資会社などから資金を調達する計画という。

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