仏自動車部品大手のプラスチック・オムニウム(PO)は仏同業フォルシアの自動車外装事業を買収する。両社は14日、趣意書(MoU)に署名した。買収価格は6億6,500万ユーロ。当局の認可などを経て、取引は2016年中に完了する予定。
当該事業では、バンパーなどの樹脂製車体部品やフロントエンドモジュールなどを製造している。2014年の売上高は20億ユーロ、世界9カ国に22の拠点を持ち、従業員数は7,700人。フランスのハンバッハにあるスマート工場とブラジルと中国の合弁2社は対象外となる。
POによると、同社は今回の事業買収により売上高が80億ユーロを超え、自動車部品世界最大手25社にランクインするという。一方、フォルシアは今後、排ガス制御技術や自動車用シート、内装システム事業に経営資源を集中させる。
■ PO、独高級車大手との取引強化
フォルシアの自動車外装事業は、売上高20億ユーロのうちドイツが約5割を占めている。独経済紙『ハンデルスブラット』によると、プラスチック・オムニウムは今回の取引により、BMWやメルセデス、アウディなど独高級車大手との取引を強化することができる。また、POは樹脂製車体部品ではすでに世界最大手であり、2位のマグナ(カナダ)を大きく引き離すことになる。