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2010/1/22

一般・技術・その他 (旧)

リチウム埋蔵量、2050年までは需要に十分対応=独研究所

この記事の要約

独フラウンホーファー革新技術研究所(ISI)はこのほど、電気自動車のバッテリーに使われるリチウムの需要および埋蔵量について調査した。2050年まではリチウムの需要を大きく見積もっても埋蔵量は十分に足りるとしながらも、リチ […]

独フラウンホーファー革新技術研究所(ISI)はこのほど、電気自動車のバッテリーに使われるリチウムの需要および埋蔵量について調査した。2050年まではリチウムの需要を大きく見積もっても埋蔵量は十分に足りるとしながらも、リチウムを採掘できる国は限られる上、政治が不安定な国もあると指摘。資源の枯渇を防ぐためにも、リチウムの再利用技術や新たなバッテリー技術の開発を進める必要があると強調している。

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ISIは電気自動車世界の市場シェアが2050年に新車販売の50%を占めると仮定した場合、リチウムの再利用や電気自動車以外のリチウム需要を考慮しても世界の埋蔵量のうち約20%しか減らないと試算する。再利用のリチウムは需要の25%に対応できると見込んでいる。

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もう1つのシナリオとして、同年に電気自動車のシェアが85%に達したと仮定してもリチウムが枯渇する恐れはないという。ただ、現在のリチウム価格と技術の範囲で採掘できるリチウムは底をつくため、新しいリチウム鉱床を開発する必要があると指摘する。リチウムの埋蔵国は中国や南米諸国に集中している。

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ISIはさらに、リチウムのほかにも需要と埋蔵量のバランスを確認する必要がある電気自動車の素材として、バッテリーに使用するコバルトや、銅(電気モーターのコイル)、インジウム(ディスプレー)、ネオジウム(電気モーター用磁石)を挙げている。

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今回の調査は、連邦教育研究省(BMBF)の助成によるプロジェクトおよび内部プロジェクトの一環として実施された。

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