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2011/5/13

一般・技術・その他 (旧)

独ケルン市のEVプロジェクト、中間報告を発表

この記事の要約

独デュースブルク・エッセン大学はこのほど、フォードの乗用車「トランジット」とデリバリバン「フォーカス」の電気自動車(EV)を使ってケルンで実施しているEVのパイロットプロジェクト「Cologn-E-Mobil」の中間報告 […]

独デュースブルク・エッセン大学はこのほど、フォードの乗用車「トランジット」とデリバリバン「フォーカス」の電気自動車(EV)を使ってケルンで実施しているEVのパイロットプロジェクト「Cologn-E-Mobil」の中間報告書を発表した。

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同プロジェクトでは、フォードのEVを計25台投入し、走行状況や安全性、コストなど幅広い観点から利用状況を調査している。期間は2年間で年内に終了する予定。

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中間報告によると、1日当たりの平均的な使用回数は3回で、平均走行距離は30km。1回のフル充電(容量20kW時のリチウムイオン電池)で4日間走行できる計算という。

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同プロジェクトでは、調査データを活用し、1日当たり3万3,370台のEVがケルン市内を走行した場合(同市の乗用車交通量の10%に相当)をシミュレーションしたところ、EVの充電に必要な電力は年5万6,575メガワット時となり、同市の一般世帯のエネルギー消費量の3.2%にとどまることが分かった。また、同市の二酸化炭素(CO2)排出量は走行状況に応じて35~75%減らせるとみている

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さらに、年間の走行距離を1万5,000kmと仮定した場合の充電コストはコンパクトクラスのEVで622ユーロにとどまり、同水準のガソリン車の燃料費の1,597ユーロ(1リットル当たりの燃料価格を1.50ユーロで計算)の半分以下にとどまると指摘している。

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研究チームはこれらの調査結果から、大都市でのEV利用には現在のインフラで十分に対応でき、コスト負担や環境負荷を低減する観点からもメリットは大きいとまとめている。

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