2010/1/11

環境・通信・その他

仏炭素税7月導入目指す、政府が修正法案提出へ

この記事の要約

フランスのサルコジ大統領は5日、違憲審査機関である憲法評議会が違憲と判断した炭素税について、今年7月1日の導入を目指し、今月末にも修正法案を国会に提出する方針を打ち出した。修正法案には変動税率の適用や優遇措置の見直しなど […]

フランスのサルコジ大統領は5日、違憲審査機関である憲法評議会が違憲と判断した炭素税について、今年7月1日の導入を目指し、今月末にも修正法案を国会に提出する方針を打ち出した。修正法案には変動税率の適用や優遇措置の見直しなどが盛り込まれる見通しだ。これに向け、政府は炭素税導入の影響が大きい業界関係者らとの協議を行う。

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フランス政府は今月から、石油、ガス、石炭などの化石燃料から排出される二酸化炭素(CO2)に1トンあたり17ユーロを課す炭素税を導入する計画だった。また、炭素税による2010年の税収を45億ユーロ程度と見込み、これを省エネに貢献した一般世帯に対する減税や、「緑の小切手」としての還付を実施するための財源に充てるとしていた。

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しかし、当初案には企業向けの免税措置など多くの例外規定が含まれており、排出量が多い火力発電所や石油精製所をはじめ、セメント工場など1,018の事業所が免税対象とされていた。このため、産業部門によるCO2排出量の93%が課税対象外だった。一方で、ガソリンは炭素税の導入で1リットルあたり4.5ユーロまでの価格引き上げとなり、各世帯のガス料金は7%増加するとみられていた。

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こうしたことから、憲法評議会は昨年12月29日、当初案は省エネ実現に向けた負担を消費者の一部に不当に重く課す不平等なものであり、違憲であると判断。環境対策の目玉としていた炭素税が実施直前に見送りとなり、サルコジ政権は大きな打撃を受けていた。

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