2010/1/11

欧州ビジネスウオッチ

米クラフト、キャドバリー買収額引き上げ

この記事の要約

英製菓大手キャドバリーに敵対的買収を仕かけている米食品大手クラフト・フーズは5日、買収額を引き上げると発表した。昨年末に開始した株式公開買い付け(TOB)が不調で、現時点で確保した株式が1.52%にとどまっているため。1 […]

英製菓大手キャドバリーに敵対的買収を仕かけている米食品大手クラフト・フーズは5日、買収額を引き上げると発表した。昨年末に開始した株式公開買い付け(TOB)が不調で、現時点で確保した株式が1.52%にとどまっているため。1株当たり現金300ペンスとクラフト株式0.2589株という買収提案のうち、現金部分を60ペンス引き上げた。買収総額は105億ポンドに上る。しかし、キャドバリー側は引き上げが小幅で、なお現金部分が半分に満たないことから「的外れな提案」と拒否を貫いている。

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クラフトは同日、キャドバリー買収の資金を確保するため、北米の冷凍ピザ事業をスイスのネスレに37億ドルで売却すると発表。クラフトに対抗してキャドバリー買収に乗り出すか可能性が取りざたされたネスレが、買収を明確に否定し、クラフトにとって有利な状況となった。ただ、キャドバリーが拒否を続けているほか、クラフトの大株主である投資会社バークシャー・ハザウェイが同日、クラフトがキャドバリー買収に向けて3億7,000万株の新株を発行することに難色を示し、買収に反対する意向を表明しており、先行きは不透明だ。

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