2010/3/22

競争法

欧州委が仏EDFへの調査打ち切り、大口長期契約の見直しを評価

この記事の要約

欧州委員会は17日、フランス電力公社(EDF)に対する競争法上の調査を打ち切ると発表した。EDFが提示した大口需要家との長期契約をめぐる改善策について検討した結果、一連の措置によりフランスの電力市場で競争が促進され、顧客 […]

欧州委員会は17日、フランス電力公社(EDF)に対する競争法上の調査を打ち切ると発表した。EDFが提示した大口需要家との長期契約をめぐる改善策について検討した結果、一連の措置によりフランスの電力市場で競争が促進され、顧客の利益と経済の活性化につながると判断した。EDFの公約はただちに法的拘束力を持ち、遵守義務を怠った場合は世界における売上高の最大10%に相当する制裁が科されることになる。

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欧州委はEDFが大口需要家と結んでいる長期契約を問題視し、2007年7月に本格調査に着手。同社が国内市場での支配的地位を利用して競合会社を市場から締め出しているとの見解をまとめ、08年12月に異議告知書を送付した。EDFはこれに対し、欧州委に市場開放に向けた改善策を提示。欧州委はEDFの提案について意見募集を行い、一連の措置が仏電力市場に与える影響を分析していた。

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EDFは公約に沿って、国内の大口需要家との契約に基づく電力供給量のうち毎年平均65%(1年ごとに最低60%)を開放し、競合企業に参入機会を与える。また新規の大口顧客との契約期間は最大5年とする。さらに顧客に対して必要な電力の一部を他の電力会社から購入することを認め、EDFから購入した電力の再販を制限する条項も契約から除外する。

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EDFはこうした制限措置を今後10年間続けなければならないが、大口需要家向け市場で同社のシェアが2年連続して40%を下回れば制限は解除される。それまでは遵守状況を毎年、欧州委およびフランスのエネルギー規制当局(CRE)に報告することを義務付けられ、遵守していないことが判明すれば制裁が科される。

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