2010/5/3

産業・貿易

噴火による欧州航空業界の損失、最大25億ユーロ=EU推計

この記事の要約

欧州委員会は4月27日、アイスランドの火山噴火による飛行制限で欧州の航空業界が受けた損失が15億~25億ユーロに上るとの推計を公表した。EUが同問題の経済的損失について具体的に言及したのは初めて。欧州委は大きな打撃を受け […]

欧州委員会は4月27日、アイスランドの火山噴火による飛行制限で欧州の航空業界が受けた損失が15億~25億ユーロに上るとの推計を公表した。EUが同問題の経済的損失について具体的に言及したのは初めて。欧州委は大きな打撃を受けた航空会社を各国政府が支援することを容認する方針だ。

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欧州委の損失推計は、航空会社のほか空港、旅行会社など関連業界から寄せられた情報に基づいてまとめたもの。飛行制限による欠航は10万便を超え、1,000万人以上の旅客が立ち往生したと推定している。

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EUでは民間企業に対する公的支援が厳しく制限されているが、すでに欧州委は今回の事態は「例外的状況」として、航空会社の支援に乗り出す意向を示していた。欧州委は同日、航空会社に対する支援策として、関係国政府による緊急融資、融資保証を認める意向を表明。これに関してカラス委員(運輸担当)は、今回の問題と連動しない不当な支援が行われて健全な競争が損なわれるのを防ぐため、支援に域内共通の基準を設けることが必要として、欧州委がガイドラインを作成する方針を示した。

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このほか欧州委は航空会社支援として、◇航空管制サービス料金の支払い先送り◇飛行制限による滞貨を解消する意味も含めて、夜間の離発着制限を緩和する――といった措置も検討しており、5月4日に開くEU緊急運輸相理事会で詳細を固める見込みだ。

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