2010/6/21

総合 –EUウオッチャー

ギリシャ国債「投機的水準」、ムーディーズも格下げ

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、ギリシャ長期国債の格付けを従来の「A3」から4段階引き下げ、投機的水準の「Ba1」にしたと発表した。大手格付け会社による同国債の投機的等級への格下げは、4月の […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、ギリシャ長期国債の格付けを従来の「A3」から4段階引き下げ、投機的水準の「Ba1」にしたと発表した。大手格付け会社による同国債の投機的等級への格下げは、4月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)に続くもの。ギリシャはユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けながら財政再建を進めているが、その実現性に疑問符を突きつけられる格好となった。

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深刻な財政危機に陥っているギリシャは5月、ユーロ圏諸国とIMFから3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることが決まり、すでに一部が実施された。政府は同支援の条件として厳しい緊縮政策の実施を受け入れ、財政再建を進める構えだ。しかし、この厳しい財政引き締めが経済を圧迫し、景気悪化が加速するとの懸念も根強い。

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ムーディーズは今回の格下げについて、ギリシャはIMFなどの支援により「短期的なデフォルト(債務不履行)の懸念はなくなった」としながらも、財政再建策がマクロ経済に悪影響を与えるリスク、再建策を実行できないリスクが「相当ある」と説明している。

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