2010/6/28

競争法

仏ボロレに紙カルテルで制裁、欧州委が手続き是正し再命令

この記事の要約

欧州委員会は23日、ノーカーボン紙で価格カルテルを結び競争ルールに違反したとして、工業・メディアグループの仏ボロレに2,126万ユーロの制裁金支払いを命じた。昨年9月に欧州司法裁判所が手続きの不備を理由に制裁金の無効を言 […]

欧州委員会は23日、ノーカーボン紙で価格カルテルを結び競争ルールに違反したとして、工業・メディアグループの仏ボロレに2,126万ユーロの制裁金支払いを命じた。昨年9月に欧州司法裁判所が手続きの不備を理由に制裁金の無効を言い渡したため、欧州委は改めて手続きを行った。

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欧州委は2001年12月、ボロレなど製紙を手掛ける10社がノーカーボン紙について価格や市場分割の取り決めを行っていたとして、総額で3億1,370万ユーロの制裁金の支払いを命じた。各社はこれを不服として提訴。欧州司法裁判所は昨年9月、7社については訴えを退けた一方、英アルジョ・ウィギンス・アプルトンとスペインのパペレラ・ギプスコアナ・デ・シクニャガの2社には制裁金の減額を認め、ボロレについては無効とした。

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ボロレについては、欧州委が送った最初の異議警告書の文言からはカルテルを結んだボレロの子会社コピグラフだけでなく親会社のボレロの関与についても責任を負わせる意図が読み取れず、ボレロの弁明権が侵害されたという理由だった。このため欧州委は昨年12月、ボロレに対し親会社としての責任と直接関与に言及した新たな異議警告書を送付して手続きを再開した。ボロレはコピグラフがカルテルの最初の段階から関与していたことを認め調査に協力したため、制裁金は当初の2,268万ユーロから2,126万ユーロに減額された。

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