2011/5/9

産業・貿易

木材取引の規制強化、インドネシアと暫定協定

この記事の要約

EUとインドネシアは4日、違法伐採された木材、関連製品の域内への輸入禁止を目的とした自主的2カ国間協定(VPA)の暫定協定に合意した。今年10月に正式調印の予定だ。2013年3月以降、域内では承認済みの製品のみが輸入を許 […]

EUとインドネシアは4日、違法伐採された木材、関連製品の域内への輸入禁止を目的とした自主的2カ国間協定(VPA)の暫定協定に合意した。今年10月に正式調印の予定だ。2013年3月以降、域内では承認済みの製品のみが輸入を許可されることになり、違反には罰則が適用される。

\

EU各国では昨年12月から、途上国などで違法に伐採された木材とそれらを原材料とした木材製品の輸入および販売を禁止する新規則が発効しており、加盟国はEU規則に従って違反業者への罰則などに関する国内法の整備を進めている。年間約12億ユーロに相当するEUの輸入量全体のうち、約20%は違法伐採された木材とみられている。アジアの国として初めてEUとVPAを締結するインドネシアは、輸出する木材の40%以上が違法に栽培された樹木から生産されたものとみられ、国土に占める森林面積は今後50年以内に、違法伐採によって現在の約50%から20%程度に減少するとの見方もある。

\

途上国の森林破壊とそれによる環境の悪化、地球温暖化の進行に歯止めをかけるため、EUは木材生産国との協力に基づき、違法伐採された木材が域内市場に持ち込まれるのを阻止する取り組みを進めてきた。アフリカの数カ国とはすでにVPAを締結しているほか、マレーシアとの間でも同協定に関する協議を行っている。

\