2011/10/17

総合 –EUウオッチャー

EU首脳会議が23日に延期、信用不安対策の調整難航で

この記事の要約

EUのファンロンパイ大統領(欧州理事会常任議長)は10日、今月17、18日に開催する予定だったEU首脳会議を23日に延期すると発表した。最大の懸案であるユーロ圏の信用不安問題への包括的対策をめぐる加盟国間の溝が埋まってい […]

EUのファンロンパイ大統領(欧州理事会常任議長)は10日、今月17、18日に開催する予定だったEU首脳会議を23日に延期すると発表した。最大の懸案であるユーロ圏の信用不安問題への包括的対策をめぐる加盟国間の溝が埋まっていないことから、調整に時間が必要と判断した。

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次回の首脳会議では、ユーロ圏の財政悪化国に緊急金融支援を行う総額4,400ユーロの「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能拡充、デフォルト(債務不履行)の危機に直面しているギリシャへの第2次支援、域内銀行の資本増強が協議される。

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EFSFについては、危機に陥った国の国債を流通市場で買い取ることができるようにするといった機能強化で加盟国は合意済み。これに加えて融資枠を拡大する案も浮上しているが、負担が大きく増えるドイツが難色を示している。

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ギリシャへの第2次支援に関しては、ギリシャ国債を保有する銀行など民間投資家に一定規模を負担させるメカニズムや負担の規模について調整が必要となっている。民間に50%程度の債務削減を求める方向で協議が行われるもようだ。

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一方、域内銀行の資本増強は、保有するギリシャ国債の評価損で資本不足に陥る銀行が増えていることを受けたもので、4日のEU財務相会合で合意した。これについては、フランスがEFSFの活用を求めているのに対して、ドイツが反対しており、増強の手法について詰める必要がある。

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ファンロンパイEU大統領は首脳会議の前にユーロ圏17カ国の財務相会合を臨時に開き、事前調整を行うことも決めた。

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