2012/9/24

環境・通信・その他

海運部門の温効ガス排出規制、欧州委が国際ルールの枠組み提示へ

この記事の要約

欧州委員会は18日、早ければ今秋にも船舶からの温室効果ガス排出量を削減するための新たな規制案を打ち出す方針を明らかにした。航空部門と同様、EU排出量取引制度(EU-ETS)に海運部門を取り組む構想などについて検討を進めて […]

欧州委員会は18日、早ければ今秋にも船舶からの温室効果ガス排出量を削減するための新たな規制案を打ち出す方針を明らかにした。航空部門と同様、EU排出量取引制度(EU-ETS)に海運部門を取り組む構想などについて検討を進めているという。国連の国際海事機関(IMO)での協議が停滞するなか、EUは国際的な規制の枠組みづくりで主導権の確保を目指す。

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船舶からの温室効果ガス排出量が全体に占める割合は3%程度だが、2050年には世界全体で現在の約2倍に拡大するとみられており、国際的なルールの整備が急務になっている。欧州委・気候変動総局の国際炭素市場担当責任者エリーナ・バルドラム氏は18日にブリュッセルで開かれたセミナーで講演を行い、「IMOを通じて国際的な規制の枠組みを構築することが望ましいと」したうえで、10年以上にわたり協議を続けているにもかかわらず、いまだに合意形成に至っていないと指摘。「海運セクターに対する規制が市場に差別や歪みをもたらすものであってはならない」と強調し、「排出削減量の測定、レポーティング、評価、技術標準などについてあらゆる可能性を探っている。EU-ETSの適用も選択肢の1つとして検討している」と述べた。

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一方、IMO海事環境保護委員会のChrysostomou委員長はセミナーで、「早急に」船舶からの温室効果ガス排出量を削減しなければならないと強調し、「市場ベースのメカニズムに関する提案」について評価を行う専門家チームを立ち上げるなど、国際的なルール作りに向けた取り組みを進めていると説明した。

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