2012/12/10

総合 –EUウオッチャー

ECBがユーロ圏成長率を下方修正、来年に追加利下げか

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。一方、同日発表したECBの内部経済予測では、2013年 […]

欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。一方、同日発表したECBの内部経済予測では、2013年のユーロ圏の域内総生産(GDP)予想成長率はマイナス0.3%となり、前回(9月)のプラス0.5%から大幅に下方修正されており、市場ではECBが追加利下げに踏み切る可能性が高まってきたとの見方が出ている。

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ユーロ圏は今年7-9月期のGDPが前期比0.1%減と、2期連続のマイナス成長となり、景気後退入りした。内部経済予測では、今年の予想成長率はマイナス0.5%となり、前回の同0.4%から0.1ポイント下方修正した。14年はプラス1.2%とした。

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ECBは7月に0.25%の利下げを実施し、政策金利は過去最低の0.75%まで下がった。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、現行金利水準は「非常に緩和的だ」と述べ、現時点で追加利下げは不要との見解を表明。しかし、今回の理事会では金利政策をめぐって「幅広い議論があった」として、金利据え置きが全会一致ではなく、利下げを推す意見があったことを明らかにした。このため市場では、来年初めの利下げ実施があり得るとの声が出ている。

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