2013/2/18

総合 –EUウオッチャー

10-12月期のユーロ圏GDPは0.6%減、3期連続のマイナス成長に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2012年10-12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%減(実質ベース)で、3期連続のマイナス成長となった。主要経済国のドイツ、フランスがマイナス成長に転落 […]

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2012年10-12月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%減(実質ベース)で、3期連続のマイナス成長となった。主要経済国のドイツ、フランスがマイナス成長に転落したことが響き、下げ幅は前期の0.1%から大きく膨らみ、リーマンショック直後の2009年1-3月期以来の高水準となった。(表参照)

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EU27カ国ベースのGDPは0.5%減。前期は0.1%増だったが、再びマイナス成長となった。前年同月比のGDPはユーロ圏が0.9%減、EUが0.6%減となり、下げ幅はそれぞれ前期の0.6%、0.4%から拡大した。12年通期ではユーロ圏が前年比0.5%、EUが0.3%のマイナスだった。

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ユーロ圏では債務危機が落ち着きつつあり、金融市場では改善が進んでいるが、実体経済は悪化が止まっていない。データが出そろっているユーロ圏諸国ではギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガル、キプロス、フィンランドの6カ国が7-9月期までに2カ月連続のマイナス成長(前期比、ギリシャは前年同期比)となり、すでに景気後退局面に入っていたが、10-12月期にオランダが新たに景気後退入りした。うちギリシャ、オランダを除いてマイナス幅は広がった。

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プラス成長を維持していたドイツのGDPは前期比0.6%減に悪化。独連邦統計局によると、輸出、設備投資が落ち込み、4四半期ぶりのマイナス成長となった。フランスは前期に0.1%のプラス成長に回復したが、0.3%のマイナスに転落した。

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ただ、ドイツでは製造業の受注、鉱工業生産が上向きつつあるほか、企業の景況感も改善が続いており、景気は10-12月期に底を打ったとの見方が広がっている。ユーロ圏全体でも、金融市場の持ち直しなどを受けて、景況感が1月まで3カ月連続で改善していることから、一部では10-12月期に底入れし、今年4-6月期には景気後退を脱するという観測も出ている。

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