2013/3/25

環境・通信・その他

12年の交通事故死9%減、統計史上最低を記録

この記事の要約

欧州委員会は19日、EU域内の交通事故による死者数が2012年は前年比9%減となり、統計を取り始めた1965年以降で最も低い水準になったと発表した。EUは2020年までの10年間に交通事故による死者数を半分に減らす目標を […]

欧州委員会は19日、EU域内の交通事故による死者数が2012年は前年比9%減となり、統計を取り始めた1965年以降で最も低い水準になったと発表した。EUは2020年までの10年間に交通事故による死者数を半分に減らす目標を掲げているが、欧州委は毎年7%のペースで死者数を減らしていけば目標を達成できるとして、EU共通運転免許証の導入をはじめとする取り組みの成果が確実に現れていると指摘している。

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欧州委のカラス副委員長(運輸担当)は「2012年は交通事故による死者数が過去50年ほどで最も低い水準となり、欧州の道路安全政策にとって極めて重要な年になった。前年比9%減ということは死者数が概ね3,000人減少したことを意味する」と強調。そのうえで、欧州では現在も1日平均75人が交通事故で命を失っており、脳や脊髄に損傷を負うような重傷者はその10倍に上ると指摘し、「20年までに交通事故による死者数を半減させるとの目標を達成すると同時に、重大事故を大幅に減らすため、さらに取り組みを強化する必要がある」と述べている。

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欧州委によると、12年の域内における交通事故による死者数は約2万8,000人で、10年前に比べて43%減少した。一方、年間の重症者数はおよそ25万人に上り、10年前との比較で36%の減少にとどまっている。

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交通事故による死者数を国別にみると、EU全体では100万人に対する死者数が55人であるのに対し、マルタは26人と最も少なく、英国(28人)、スウェーデン(31人)、オランダ(32人)、デンマーク(同)と続いている。これに対し、リトアニアの100人を筆頭に、ルーマニア(96人)、ポーランド(93人)、ギリシャ(92人)などで死者数が多くなっている。

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