2013/4/29

総合 –EUウオッチャー

欧州委が移民労働者の権利保護強化を提案、労働力の移動促進目指し

この記事の要約

欧州委員会は26日、EU域内の労働力の移動を促進するため、EU市民が他の加盟国で働く場合の権利保護を強化することを提案した。雇用差別の不安を払しょくすることで他の加盟国で働きやすい環境を整備し、失業率が高い国の労働者を域 […]

欧州委員会は26日、EU域内の労働力の移動を促進するため、EU市民が他の加盟国で働く場合の権利保護を強化することを提案した。雇用差別の不安を払しょくすることで他の加盟国で働きやすい環境を整備し、失業率が高い国の労働者を域内全体で吸収できるようにするのが狙い。加盟国、欧州議会の承認を経て実施する。

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EUでは原則的に各国が労働市場を開放し、域内の労働者が他の加盟国で自由に就労できるようになっている。しかし、欧州委の調査によると、他の加盟国で働いている人は950万人と、労働力人口の3%にとどまる。これについて欧州委は、社会保障の受益などに関してEUのルールが雇用者、労働者に十分に理解されておらず、差別への不安が根強いことが大きな要因になっていると分析。その解消に向けた対策に乗り出した。

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欧州委の提案では、移民労働者の権利に関する情報を労働者、雇用者に提供する窓口の開設を各国に義務付ける。また、雇用差別があった場合に、労働者本人に代わって労働組合やNGO(非政府組織)などの組織が行政・法的手続きを行えるようにすることなども盛り込まれている。

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