欧州委員会は22日、スマートカード用の半導体をめぐるカルテル疑惑で調査対象となっている複数企業に対して、異議告知書を送付したと発表した。対象企業は非公表だが、ブルームバーグによるとフィリップス、インフィニオン・テクノロジーズ、サムスン電子、ルネサステクノロジが告知書の受領を確認している。
\欧州委は2008年、銀行のキャッシュカードや携帯電話のSIMカード、電子身分証明書などに使われるスマートカードの半導体の販売で価格カルテルを結んでいる疑いがあるとして、関係各社への立ち入り調査を実施していた。異議告知書の送付は、その後の調査でカルテルが行われていたとほぼ断定したことを意味する。フィリップスによると、異議告知書では2003年から04年にかけてカルテル行為があったと指摘しているという。
\各社には反論の機会が与えられるが、最終的に欧州委が指摘する事実が確認された場合、全世界の売上高の最大10％に相当する制裁金の支払いが命じられる。
\立ち入り調査ではSTマイクロエレクトロニクス、NXPも対象となっていたが、両社はこれまでのところ告知書を受領していないとしている。
\EUでは2008年から、カルテル疑惑が浮上して欧州委の調査対象となった企業が調査段階でカルテルに関与したことを認め、調査に協力すれば、制裁額を10％減額する和解制度が導入されている。欧州委は今回のケースについて、各社が和解手続きに応じなかったことから、制裁手続きの第1段階となる異議告知書の送付に踏み切ったとしている。
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