2013/4/29

総合 –EUウオッチャー

キプロスが資本規制を追加緩和、預金引き出し制限は継続

この記事の要約

キプロス財務省は25日、国内銀行からの資金流出を防ぐため3月末から実施している資本規制の追加緩和を発表した。1日当たりの預金引き出し額を最大300ユーロに制限する措置は継続しながらも、国外への現金持ち出しなどの上限を引き […]

キプロス財務省は25日、国内銀行からの資金流出を防ぐため3月末から実施している資本規制の追加緩和を発表した。1日当たりの預金引き出し額を最大300ユーロに制限する措置は継続しながらも、国外への現金持ち出しなどの上限を引き上げる。

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規制緩和によって、事業者が事前審査を受けずに国外に送金することができる額の上限は2万ユーロから50万ユーロに引き上げられた。また、個人による国内銀行間の資金移動は月3,000ユーロから1万ユーロ、海外への送金は同2,000ユーロから5,000ユーロとなる。

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このほか、旅行者が国外に持ち出せる額の上限は2,000ユーロから3,000ユーロに拡大。クレジットカードの取引を月5,000ユーロ以下に制限する規制は撤廃された。

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金融・債務危機に直面するキプロス政府は3月28日、EUと国際通貨基金(IMF)による金融支援をめぐる混乱で取り付け騒ぎが起きる恐れがあるとして、資本規制を導入。その後、最大100億ユーロの支援が決定し、条件として浮上していた国内銀行の全預金者への課税も回避されたことから、段階的に規制緩和を進めている。今回は、さらに状況が安定したとして、追加緩和に踏み切った。

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