2013/8/19

環境・通信・その他

ブロードバンド回線の料金規制、欧州委が伊当局の決定を検証

この記事の要約

欧州委員会は12日、イタリアの通信監督機関AGCOMが、同国でブロードバンドサービスを提供する事業者が通信最大手テレコムイタリアに支払う回線使用料の引き下げを承認した際の手続きに問題があるとして、AGCOMの決定が妥当か […]

欧州委員会は12日、イタリアの通信監督機関AGCOMが、同国でブロードバンドサービスを提供する事業者が通信最大手テレコムイタリアに支払う回線使用料の引き下げを承認した際の手続きに問題があるとして、AGCOMの決定が妥当かどうか詳しく検証する方針を明らかにした。欧州委はEU28カ国の通信当局者で構成するBERECの協力を得て、向こう3カ月にわたりAGCOMと協議を行い、最終的な料金規制の実施計画をまとめる。

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AGCOMは今年7月、テレコムイタリアがブロードバンド事業者に回線を貸与する際のホールセール料金について、2013年は前年の水準より引き下げる計画を承認したが、欧州委はこの際の料金設定が「最新の市場分析」に基づくものではなかったとの懸念を抱いている。クルース副委員長(デジタルアジェンダ担当)は「このことは、最新の市場分析に基づいてブロードバンドのホールセール料金を決定することを定めたEUルールから逸脱しており、AGCOMはすべての市場関係者が求める規制上の確実性を損ねていると」指摘。2002年の「枠組み指令」に基づき、新たな規制の導入に際し、通信当局の決定プロセスに問題がある場合に欧州委に与えられる介入の権限を行使すると説明した。

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今回の動きを受け、AGCOMは欧州委に協力する意向を示す一方で、料金設定は適切に行われたと強調。欧州委の懸念に対応するためすでに十分な情報を提供しているものの、必要に応じてさらに追加情報を提出する用意があるとし、年末までに新たな料金体系を導入したい考えを示している。

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