2013/11/4

環境・通信・その他

独で子供の「第3の性」選択可能に

この記事の要約

ドイツで1日、男女両性の特徴を備えて生まれた子供について、性別欄を空白にした状態で出生届を提出できる法律が施行された。こうした「第3の性」を選択できる制度の導入は欧州初の試み。両性具有の子供が生まれた場合、これまでは届出 […]

ドイツで1日、男女両性の特徴を備えて生まれた子供について、性別欄を空白にした状態で出生届を提出できる法律が施行された。こうした「第3の性」を選択できる制度の導入は欧州初の試み。両性具有の子供が生まれた場合、これまでは届出の段階で男女いずれかを選んで登録しなければならなかったが、世界的に性の多様性を認める方向に進むなか、ドイツでは公的記録において「不確定な性」という新たなカテゴリーが設けられることになる。

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ドイツでは以前から性転換が法律で認められているが、両性具有の場合は誕生から1週間以内に名前と共に性別を登録しなければならず、両親は難しい選択を強いられてきた。今年1月に成立した新法により、男女両方の特徴を持って生まれてきた子供は成長した段階で、自らの意思で性別を決めることができるようになる。ただ、両性具有者の支援団体などはさらに一歩進め、本人の自己決定権を確立するため16歳になるまで医学的に不必要な手術を禁止するよう求めている。

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専門家によると、世界では1,500人~2,000人に1人の割合で両性具有の新生児が誕生しており、その多くが乳児期に性別を決定づける性器形成手術を受けている。欧州委員会が昨年まとめた報告書によると、欧州の多くの国で十分な説明がないまま両性具有の子供に対する手術が行われており、多くの人が同意なしに手術されたことに不満を抱いている実態が明らかになった。報告書は一例として、10代に子宮摘出手術を受けたドイツ人「男性」が病院を相手取って訴えを起こしたケースで、ケルンの地方裁判所が2009年、「インフォームド・コンセントなしの手術によって自己決定権が侵害された」とする原告側の主張を認め、病院に対して10万ユーロを超える損害賠償の支払いを命じた事案を紹介している。

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