2013/11/4

欧州ビジネスウオッチ

独エボニック、リチウムイオン電池事業から撤退へ

この記事の要約

独特殊化学大手のエボニック・インダストリーズは10月31日、リチウムイオン電池事業から撤退する方針を明らかにした。赤字が続いているうえ、長期的にみて高い利益率を確保できる見通しもないためで、自動車大手ダイムラーとの合弁会 […]

独特殊化学大手のエボニック・インダストリーズは10月31日、リチウムイオン電池事業から撤退する方針を明らかにした。赤字が続いているうえ、長期的にみて高い利益率を確保できる見通しもないためで、自動車大手ダイムラーとの合弁会社リテック・バッテリーの株式持ち分を放出する意向だ。

\

リテック・バッテリーはエボニックが2006年設立したリチウムイオン電池の開発・製造会社。08年にダイムラーの出資を受け入れた。出資比率はエボニックが50.1%、ダイムラーが49.9%。独東部のカメンツに工場を持ち、2011年に生産を開始した。「スマート」ブランド(ダイムラー傘下)の電気自動車(EV)向けに電池を供給している。

\

エボニックはリチウムイオン電池事業で7-9月期(第3四半期)に2億3,900万ユーロの赤字を計上した。評価損計上が響いた格好。

\

エボニックの7-9月期の営業利益は3億7,500万ユーロで、前年同期から32%減少した。販売価格の下落とコスト削減プログラムに伴うコストが影響。販売量は増えたものの売上高も4%減の32億3,900万ユーロに落ち込んだ。不動産部門を売却した効果で最終利益は314%増の14億7,000万ユーロへと大きく拡大している。

\

同社は生産の効率化や組織のスリム化を通して17年までに年間コストを7億5,000万ユーロ圧縮する計画で、今年は約3億ユーロを達成する見通し。

\