アイルランド通信大手のエアコムは19日、買収提案を受けたが拒否したことを明らかにした。買収を提案した企業は不明だが、米投資会社アンカレッジ・キャピタルの名前が浮上している。
エアコムによると、総額32~33億ユーロでの買収提案を受けた。相手先は「非常に信頼できる」企業だが、同社の経営難が底を打ったことから「当社の価値を過小評価している」として拒否したという。
エアコムは2012年、債務超過に陥って会社更生手続きを適用され、再建に取り組んできた。その後に経営は好転し、新規株式公開(IPO)を計画したが、市況の悪化で昨年に中止した経緯がある。
ロイター通信などが20日伝えた消息筋情報によると、アンカレッジ・キャピタルはこのほど米同業ブラックストーン・グループからエアコムの株式25%を取得。エアコムに対する持ち株比率を30%以上に高め、筆頭株主となった。このため買収を提案したのは同社との観測が浮上している。