欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/14

EU情報

域内農家に5億ユーロ支援、露の制裁に対応

この記事の要約

欧州委員会は7日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗して発動した農産物の禁輸措置で厳しい状況にあるEU域内の農家に総額5億ユーロの緊急支援を実施することを決めたと発表した。特に大きな打撃を受けている酪農家 […]

欧州委員会は7日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗して発動した農産物の禁輸措置で厳しい状況にあるEU域内の農家に総額5億ユーロの緊急支援を実施することを決めたと発表した。特に大きな打撃を受けている酪農家を中心に支援を行う。

EUの農家はロシアが欧米産の農産物、乳製品の輸入を禁止したことで輸出が減少しているほか、行き場を失った製品が域内市場に流通し、供給過剰となって値崩れを起こしており、大きな悪影響を受けている。欧州委は7月末、ロシアがEUによる制裁延長の報復措置として、禁輸延長を決めたことから、すでに実施していた農家支援の延長、追加措置導入を発表していた。

5億ユーロの支援は農家の資金繰りや農産物の価格を支えることなどが主眼となる。国別の支援額は未定。欧州委は各国の状況に応じて決めるとしており、ロシアの禁輸による影響が特に大きいバルト諸国の酪農家などが多めの配分を受けるとみられる。