2010/1/6

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ボック新内閣を議会が承認

この記事の要約

ルーマニア議会は12月23日、バセスク大統領の指名を受けた与党・民主自由党(PDL)党首で前首相のボック氏の首相就任を、賛成多数で承認した。同国議会はバセスク大統領との関係が険悪化し、昨年10月にボック前内閣に対する不信 […]

ルーマニア議会は12月23日、バセスク大統領の指名を受けた与党・民主自由党(PDL)党首で前首相のボック氏の首相就任を、賛成多数で承認した。同国議会はバセスク大統領との関係が険悪化し、昨年10月にボック前内閣に対する不信任案を可決させて以降、大統領が指名する首相候補を2回にわたり拒否していたが、大統領が再選を果たしたことで現実路線にかじを切った格好だ。新首相は早速、滞っていた2010年予算案を議会に提出。早期成立を目指している。

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PDLは内閣不信任案成立時、議会内第2政党の社会民主党(PSD)の連立離脱で少数与党に転落していた。だが、バセスク大統領が再選を果たしたことで野党勢力のなかからハンガリー民主同盟(UDMR)、少数民族諸政党が与党に回ることで合意し、与党は過半数を回復。また野党にとどまったPSD、国民自由党(PNL)からも30人がボック首相承認投票で賛成票を投じ、昨年10月以来続いた政治混乱はようやく収拾した。

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ボック首相が議会に提出した予算案は、2010年の経済成長率プラス1.3%、年間インフレ率を3.7%と予測し、単年度財政赤字を国際通貨基金と合意した上限であるGDP比5.9%に抑制するもの。ただ、この予算案については経済界から「輸出回復に過大な期待をかけており、非現実的」(ルーマニア輸出入業協会イオネスク会長)との批判が出ている。IMFは凍結している金融支援の再開の条件の一つとして2010年の予算成立を挙げているが、予算の妥当性をめぐって再び激しい議論が交わされ、成立までさらに時間を要する可能性もある。

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