2015/8/5

ロシア

露投資会社レノヴァ、スイス機械大手スルザーにTOB

この記事の要約

ロシアの富豪ヴェクセリベルグ氏が率いる投資会社レノヴァ(Renova)は3日、スイスの機械メーカー、スルザーの株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。ただ、1株当たりの買い取り価格は99.2スイスフラン(93.3ユー […]

ロシアの富豪ヴェクセリベルグ氏が率いる投資会社レノヴァ(Renova)は3日、スイスの機械メーカー、スルザーの株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。ただ、1株当たりの買い取り価格は99.2スイスフラン(93.3ユーロ)と安く、スイス証券法による買収提案義務を満たすための措置とみられている。

スイスでは出資比率が3分の1を超えた場合に、株主は残りの株式に対して買収提案を行うことが義務付けられている。レノヴァは2007年以来、スルザーの株式33.2%を保有してきたが、3日、少数株を買い増し出資比率が33.33%を超えたと発表した。このため、強制公開買付条項に沿い、買収提案を行った。

背景には、スルザーが8億5,000万フランの留保利益で自社株を買い戻すとの観測が高まっていることがある。自社株買いでスルザー株が消却されれば、株主の出資比率は自動的に高まり、レノヴァはTOBの実施を迫られる。

TOBの買取価格は「過去60日間の平均」以上とされている。スルザー株価はこのところ低調で、レノヴァは今のうちにTOBを行えば売却に応じる株主が少ないと判断したもようだ。