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2013/3/15

企業情報 - 自動車メーカー

VWとBMW、CO2の冷媒を採用へ

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は8日、カーエアコンに使用する新冷媒に二酸化炭素(CO2)を冷媒とする「R744」を採用する方針を明らかにした。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、BMWの広報担当者もCO2を […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は8日、カーエアコンに使用する新冷媒に二酸化炭素(CO2)を冷媒とする「R744」を採用する方針を明らかにした。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、BMWの広報担当者もCO2を採用する方向に方針転換したことを認めている。独自動車メーカーではダイムラーがすでにCO2を新冷媒に使用する立場を表明しており、VWとBMWもこれに続く格好となった。

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3社は当初、米国のハネウェルとデュポンが共同開発した「R1234yf」を新冷媒として使用する方針であったが、ダイムラーは昨年9月、独自に実施した安全性能試験の結果、「R1234yf」は発火する恐れがあるとし、採用を見合わせる立場を表明した。ダイムラーは現在も従来の冷媒「R134a」を使用しているが、同冷媒は環境負荷が高く、欧州連合(EU)では現在、使用が認められていない。

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VWによると、「R744」はGWP(地球温暖化係数:CO2の何倍の温室効果を有するかを示す値)が1と低く、EUの定めるGWPの上限値である150をはるかに下回っている。ただ、CO2の冷媒では高い圧力をかける必要があり、現行の車載空調機器をそのまま使用できない問題がある。

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『オートモビルボッヘ』紙によると、BMWは現在の計画では、今年末に市場投入する電気自動車「i3」には「R1234yf」を使用する予定。CO2の冷媒に対応するカーエアコンの開発には数カ月ではなく数年かかかる見通しであると説明している。VWはメディアの問い合わせに対し、現時点で「R1234yf」を使用しているモデルはないと説明しているものの、将来も使用しないかどうかについては明らかにしなかった。

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