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2013/8/9

総合 – 自動車産業ニュース

欧州委、新冷媒「R1234yf」の試験結果を調査

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」について独自動車大手のダイムラーなどが実施した試験結果を独自に調査する方針を発表した。客観的で透明性の高いリスク評価により、消費者や自動車メーカ […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、カーエアコン用の新冷媒「R1234yf」について独自動車大手のダイムラーなどが実施した試験結果を独自に調査する方針を発表した。客観的で透明性の高いリスク評価により、消費者や自動車メーカーが抱く新冷媒に対する懸念や不安を取り除くことが目的としている。

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ダイムラーは昨年9月、独自に実施した安全性能試験の結果、米国のハネウェルとデュポンが共同開発したカーエアコン用の新冷媒「R1234yf」は発火する恐れがあることが分かったとして、採用を見合わせる立場を表明した。同社は現在、環境負荷が高くEUでは現在使用が認められていない従来の冷媒「R134a」をメルセデス・ベンツの一部モデルに採用しているが、ドイツ連邦陸運局(KBA)はこれらのモデルを従来モデルのマイナーチェンジモデルとして「R134a」の使用を認めている。

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「R1234yf」については、米国自動車技術会(SAE)がダイムラーの指摘を受けた後、改めて安全性に問題がないことを報告したほか、KBAも独自の試験を実施している。

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欧州委は専門家による独自の調査チームを発足させ、ダイムラー、SAE、KBAの試験結果をそれぞれ調査することで、客観的かつ透明性の高いリスク評価を提示する意向を示している。

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■ EU基準を満たす冷媒、現在は「R1234yf」のみ

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EUでは温暖化防止策の一環として、これまでカーエアコン用冷媒として使われてきた代替フロン(R134aなど)に代わり、地球温暖化係数(GWP)150以下の冷媒を使用することが今年から義務づけられた。この基準を満たすのは現在、R1234yfに限られる。

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R1234yfを採用しなければならない車両は2011年以降に型式認定を受けたモデルで、メルセデスでは「Aクラス」「Bクラス」「CLAクラス」が該当する。

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■ 仏国務院、8月下旬に仏当局の措置を審議

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行政訴訟の最高裁判所の役割を持つ仏国務院は6日、カーエアコン用冷媒をめぐる問題でフランス当局が7月初めから「R134a」を使用した「Aクラス」「Bクラス」「CLAクラス」の登録を拒否している措置について、8月23日に審理すると発表した。ダイムラーは国務院に仏当局の措置差し止めを請求している。

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