独自動車大手のダイムラーは、東レと設立した炭素繊維複合材料(CFRP)を素材とした自動車部品を製造・販売する合弁会社への出資比率を大幅に引き下げたもようだ。10日付けの独経済紙『ハンデルスブラット』が報じた。
ダイムラーと東レは2011年6月に合弁会社Euro Advanced Carbon Fiber Composites(EACC)を設立。ドイツのエスリンゲン(シュツットガルト近郊)に従業員約100人の生産拠点を設けた。『ハンデルスブラット』紙が業界筋から得た報道によると、ダイムラーの出資比率は44.9%から5%に引き下げられた。また、ダイムラーの広報担当者は同紙の問い合わせに対し、当該報道内容を追認したという。
合弁会社で生産したCFRP部品はこれまで、ダイムラーの「SLカブリオレ」や「SL AMG」など一部のモデルに採用が限られていた。合弁会社の製品はその他の自動車メーカーにも販売する計画であったが、他社からの関心を得られなかったため、ダイムラーは出資比率の縮小を決めたと報じている。なお、ダイムラーは今後も東レから炭素部品を調達する意向という。