スウェーデンのバス製造大手ボルボ・バスとスイス重電大手のABBは21日、電動バスおよびハイブリッドバスの共同開発・製品化で提携すると発表した。都市化の傾向が強まるなか、両社は持続可能でコスト効率の良い公共輸送システムの開発で協力する。
両社が開発するバスは、オープンスタンダードに準拠した直流(DC)急速充電システムを装備しており、屋根の上に設置した自動接続システムによりバス停で充電したり、夜の運休中にケーブルを使って充電することができる。最初の共同プロジェクトは、ルクセンブルクの公共交通機関で2015年に実施。12台のハイブリッドバスとABBの自動急速充電システムを投入する計画。
ボルボのハイブリッドバスは、通常のディーゼルエンジン搭載バスに比べ燃費を75%削減できるという。このバスは9 月末から10月初めにかけてドイツのハノーバーで開催される自動車見本市「IAA」で公開される予定。
両社の共同プロジェクトでは、充電インフラと電動バスの間の通信プロトコルを含めた電動バス向けの自動急速充電システムや、バスの屋根に設置した自動電力接続システム向けのインターフェースや技術仕様の開発に注力する方針。
ボルボ・バスは2009年に最初のハイブリッドバスとして1,600台を21カ国に出荷した実績を持つ。同社初の電動バスは2015年6月にスウェーデンのイエーテボリで都市部における公共輸送システムの次世代ソリューションの開発に取り組むプロジェクト「ElectriCity」の一環として発表する予定。同プロジェクトには、ボルボ・グループやスウェーデンエネルギー庁、イエーテボリ市、都市交通公社ヴェストラフィークなどが参加している。