2010/5/25

環境・通信・その他

臓器移植指令、欧州議会が承認

この記事の要約

欧州議会は19日に開いた本会議で、臓器移植に関する指令を承認した。指令は臓器移植の質と安全性に関する域内統一基準を導入し、臓器提供から移植までのすべての段階におけるEU加盟国間の協力強化を図る内容。各国は、向こう2年以内 […]

欧州議会は19日に開いた本会議で、臓器移植に関する指令を承認した。指令は臓器移植の質と安全性に関する域内統一基準を導入し、臓器提供から移植までのすべての段階におけるEU加盟国間の協力強化を図る内容。各国は、向こう2年以内に指令を実施する計画だ。一方、議会は同日、臓器の提供・移植をEUレベルで推進するための行動計画も採択した。これらを通じて、臓器移植を待つ患者の待ち時間短縮の実現を目指す。

\

加盟国には、パスポートや運転免許証、IDカードに臓器提供者(ドナー)であることを明記するなど、移植実施の推進に向けた方策の導入および強化が求められる。インターネットを利用したオンラインでのドナー登録など、市民に登録を呼びかける方法についても検討が必要とされている。

\

移植を待つ患者の待ち時間は長く、待機中に死亡する患者は1日あたり12人に上る。域内では、常に6万人が臓器提供を待っている状態だ。現在のEU議長国スペインは、ドナー登録者の割合が欧州で最も高く、市民100万人あたり34人のドナーがいる。一方、EUの平均は同18人にとどまり、国によって市民の意識に大きな隔たりがある。

\