2010/10/18

総合 –EUウオッチャー

域内の全面禁煙導入か、欧州委が法規制を準備へ

この記事の要約

欧州委員会は、EU域内における公共の場での全面禁煙を定めた法規制を来年にも導入する方針だ。欧州委のダッリ委員(保健・消費者政策担当)が11日、独日刊紙ディ・ヴェルトに明らかにした。\ EUでは現在、バーやカフェ、オフィス […]

欧州委員会は、EU域内における公共の場での全面禁煙を定めた法規制を来年にも導入する方針だ。欧州委のダッリ委員(保健・消費者政策担当)が11日、独日刊紙ディ・ヴェルトに明らかにした。

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EUでは現在、バーやカフェ、オフィスを含めた公共の場での全面禁煙あるいは部分禁煙を導入している加盟国が多いものの、法規の除外規定などで抜け穴があるほか、店主が禁煙措置を軽視している国もある。たとえばベルギーではカフェでも食事を提供しない限りは喫煙が認められており、ギリシャでは昨年に全面禁煙に踏み切ったものの覆面調査によればバーの8割が規制を無視していたことが明らかになっている。

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ダッリ委員は「全ての公共の場や交通機関、職場での全面禁煙が必要」として、域内で導入する規制では例外規定を設けない考えを示し、「顧客側の健康のためだけではなく(サービスする側の)従業員の問題でもある」と強調している。

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また、導入する規制にはタバコ製品に含まれるニコチンなど有害物質の削減を盛り込むほか、パッケージに疾患を持つ肺などの写真を印刷し含有物質の有毒性に関する情報を明記するなど各製品の見た目を同じにし、できるだけ魅力的には映らないような措置で合意することを目指すという。なおタバコを起因とする疾患で死亡する人は、欧州で年に約65万人に上る。

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